物理的接続方法(接続環境)

SINETへの物理的な接続方法(アクセス回線、接続インタフェース)に関する問合せです
  1. SINETへの物理的接続方法(アクセス環境)について

    SINETを利用するための物理的接続形態には次の種類があります。

    1. ノードに専用回線等で接続する(ノード接続)
      SINETへの主たる接続方法であり、最新の学術情報ネットワークの提供するサービスの利点を十分に享受することができます。
    2. 広域LAN接続サービス(UNO)経由で接続する(広域LAN接続)
      SINETへの接続を経済的に行いたい機関のための接続方法です。
      利用可能帯域(非公開)が限られているため、最新の学術情報ネットワークの利点を十分には活用できませんが、
      国内外の学術研究ネットワーク接続機関との間で、商用インターネットを介さない通信が可能です。
    3. 既存接続機関経由で接続する(既存接続機関経由接続)
      SINETに既に接続している他の加入機関に向けて専用回線等を敷設し、当該加入機関のSINET接続に相乗りする形で、
      間接的にSINETに接続する方法です。この方法による接続には、当該既接続機関の同意を得る必要があるため、
      必ずしも可能とは限りません。また国立情報学研究所およびSINETはそのような接続の調整・仲介は行っておりません。
    4. 地域学術研究ネットワーク経由で接続する(地域学術研究ネットワーク接続)
      各地域の主要国立大学等が運営する地域学術研究ネットワークに参加し、その提供する物理接続を経由して
      間接的にSINETに接続する方法です。
      これら地域ネットワークの多くは、物理的ネットワークの運用および接続性の提供を終了しており、現在では
      コミュニティ・ネットワークとしてのみ存続しているため、物理的な接続方法の選択肢としては限られたものとなっています。

    詳しくは「物理的接続形態(アクセス環境)」を参照してください。

  2. 接続元拠点の制限について

    ノード接続、広域LAN(UNO)経由接続に関し、その接続元拠点として、加入機関拠点(キャンパス等)以外の拠点、
    たとえば民間のデータセンタを利用することは問題ありません。SINETは当該データセンタにおける加入機関調達設備部分を、
    加入機関の拠点(キャンパス)と同様のものとみなして取り扱います。

    既存接続機関経由での接続や地域学術研究ネットワーク経由での接続における接続元拠点の条件については、
    それぞれの既存接続機関ないし地域学術研究ネットワークに問い合せてください。

  3. 接続に必要な準備について(ノード接続)

    ノードに専用回線等で接続する(ノード接続)場合の準備および注意点

    1. ノードを設置しているデータセンタの住所は非公開情報です。
      専用回線等の手配のために必要となる場合、「データセンタ住所等問合せ」の開示申請によって、
      加入機関に個別に開示します。以下に該当する場合には、開示申請を行ってください。

      • 接続を予定しているノードのデータセンタの情報の開示を受けていない場合
      • 以前の開示から時間が経過している場合(接続先のラック番号が変わる場合があります)
      • 以前の開示申請時とは異なるインタフェースでの接続を予定している場合(接続先ラックが変わる場合があります)

      なお、接続先ラックとして複数の可能性のあるノードの場合、この情報開示のみでは接続先ラックが確定しないことがあります。
      また、回線終端装置等の設置位置や、回線の接続先ポート番号の情報は、この情報開示には含まれません。
      これら情報は、接続申請の提出を受けて案内します。

    2. SINET6では以下のインタフェース(規格およびコネクタ形状)を提供しています。
      • 400GBase-FR4 (2芯シングルモード・SCコネクタ)
      • 100GBASE-LR4 (2芯シングルモード・SCコネクタ)
      • 40GBASE-LR4 (2芯シングルモード・SCコネクタ)
      • 10GBASE-LR (2芯シングルモード・SCコネクタ)
      • 1000BASE-LX (2芯シングルモード・SCコネクタ)
      • 1000BASE-T/100BASE-TX (メタル・RJ45コネクタ)

      40G/100G/400Gの帯域を持つインタフェースは、ノードごとの既設加入機関接続状況によっては即時の提供ができない場合があるため、接続開始まで十分に余裕をもって学術基盤課にご相談ください。
      なお、加入機関用意のトランシーバをSINET機器に搭載することはできません。

    3. 回線のデータセンタ内区間(構内配線部分)は、ご利用になる回線事業者が当該データセンタに
      敷設を依頼する形態で提供されます。ご利用となる回線事業者と接続先ノードのデータセンタの組み合わせによっては、
      当該構内配線区間の手配に数ヶ月の時間を要する場合があります。早めの手配をおすすめします。
    4. ノードのSINETラックに設置できる機器には制限があります。
      ノードのSINETラックには、引き込まれる回線あたり、サイズおよび消費電力が基準を満たす「回線終端装置」
      ないしは「メディアコンバータ」を最大で1台のみ設置できます。L2スイッチ・L3スイッチ・ルータ等を設置する
      ことはできません。詳しくは「SINETラックスペース内設置機器の許容基準について」を参照してください。
    5. インタフェースのネゴシエーションは「オートネゴシエーション」を原則とします。
      回線終端装置等の制約によって他のネゴシエーション設定が必要となる場合、
      申請時もしくは回線の物理接続作業時に申し出てください。
      また、メタルインタフェースでの接続の場合、一般にクロスケーブルは必要ではありませんが、
      あらゆる回線終端装置等との接続性を保証するものではありませんので、ご注意下さい。
  4. 接続に必要な準備について(広域LAN(UNO)接続)

    広域LAN(UNO)を利用した接続の場合の準備および注意点

    広域LANを利用した接続の場合、ノード側への回線入線は不要です。
    加入機関側の足回りアクセス回線としては、フレッツ回線を含む複数の回線種別から選択ができます。
    詳細は「広域LAN接続サービス(UNO)経由で接続する」を参照してください。
    また足回りアクセス回線の申し込み等は、加入機関から直接NTTコミュニケーションズへ申し込んでください。

  5. 接続に必要な準備について(既存接続機関経由)

    既存接続機関経由でのSINET接続は、当該既存接続機関の同意が前提となります。
    この形態での接続の場合も、SINETへの加入が必要です。
    また接続申請も、既存接続機関ではなく、当該機関がみずから行います。
    申請にあたっては、既存接続機関の同意を得ていることをSINET側が確認するため、
    既存接続機関が当該加入機関に対して発行した「ネットワーク間相互接続同意書」の添付が必要です。
    同意書は、加入申請時(この形態の接続が予定されている場合)もしくは接続申請時に
    添付いただきます。

  6. 接続に必要な準備について(地域学術研究ネットワーク経由)

    地域学術研究ネットワーク経由での接続の場合、提供されるインタフェース種別やサービスなどが
    SINETとは異なるため、直接それぞれの地域学術研究ネットワークに相談してください。
    その際に、地域学術研究ネットワークを介してSINETを利用したいこと、また希望する利用内容を
    伝えて下さい。

    地域学術研究ネットワーク経由のSINET接続では原則としてインターネット接続(IP Dual接続)
    のみが提供されます。この形態のみでの利用の場合、SINETへの加入申請や接続申請は不要です。

    SINETの提供するVPNサービスを利用したい場合、当該ネットワークとの調整が必要となるほか、
    SINETに対しても、加入および利用の申請が必要となります。

  7. 【ノード接続】専用回線の調達範囲について

    1. 専用線タイプの場合には、下図の指定部分について加入機関側で調達してください。

    2. 網タイプの場合、ノード側のアクセス回線も加入機関側で調達する必要があります。

    3. 専用回線の代替として、フレッツ回線とフレッツVPNを組み合わせ、L2トンネリング機器によって
    全体をL2透過にすることにより、擬似的な専用回線として使用する場合も、ノード側のフレッツ回線を加入機関が調達してください。

    いずれの場合にも、ノード側の回線終端装置等とSINET側機器(実際にはパッチパネルポート)との間の
    接続ケーブルの手配および接続作業も加入機関側の調達範囲であることに注意してください。
    この手配および作業を、回線事業者、加入機関担当ベンダ、加入機関の職員等自身のいずれが行うかに
    ついては規定はありませんので、加入機関の都合により判断してください。

  8. 【ノード接続】接続インタフェース種別およびコネクタ形状について

    SINET6では以下のインタフェース(規格およびコネクタ形状)を提供しています。

    • 400GBase-FR4 (2芯シングルモード・SCコネクタ)
    • 100GBASE-LR4 (2芯シングルモード・SCコネクタ)
    • 40GBASE-LR4 (2芯シングルモード・SCコネクタ)
    • 10GBASE-LR (2芯シングルモード・SCコネクタ)
    • 1000BASE-LX (2芯シングルモード・SCコネクタ)
    • 1000BASE-T/100BASE-TX (メタル・RJ45コネクタ)

    40G/100G/400Gの帯域を持つインタフェースは、ノードごとの既設加入機関接続状況によっては即時の提供ができない場合があるため、接続開始まで十分に余裕をもって学術基盤課にご相談ください。

  9. 【ノード接続】インタフェースのネゴシエーションについて

    100/1000BASEインタフェースのネゴシエーションは「オートネゴシエーション」を原則とします。
    回線終端装置等の制約によって他のネゴシエーション設定が必要となる場合、
    申請時もしくは回線の物理接続作業時に申し出てください。
    また、メタルインタフェースでの接続の場合、一般にクロスケーブルは必要ではありませんが、あらゆる回線終端装置等との接続性を保証するものではありませんので、ご注意下さい。

    10GBASE以上の速度のインタフェースについては、規格上オートネゴシエーションは存在しませんので、固定のみとなります。

  10. 【ノード接続】専用回線の種別および回線事業者の選択について

    専用回線の種別の制限はありません。専用線タイプでも網タイプでも利用可能です。

    また回線事業者についても、ノードを設置しているデータセンタには、SINET接続用であれば、
    任意の通信事業者の回線を入線できることとしています。ただし、ノードと通信事業者の組み合わせに
    より、当該データセンタへの既存入線実績がない場合など、回線開通までに数ヶ月の時間を要する
    場合がありますので、余裕を持った手配を行ってください。

  11. 【ノード接続】責任分界点について

    加入機関とSINETとのノード接続における責任分界点は、SINETが接続用に整備しているノードラック内
    パッチパネルポートとなります。アクセス回線からパッチパネルまでの接続ケーブルの手配およびその
    接続作業は、加入機関側作業として実施いただきます。国立情報学研究所およびSINETは、当該ケーブルの
    提供・接続作業あるいはその作業立ち会いのいずれも行いません。

  12. 【ノード接続】スイッチやルータ等の設置について

    SINETノードラックに、加入機関側管理となるスイッチやルータ類、またサーバ類等を設置することはできません。
    設置できるのは、回線終端装置もしくはメディアコンバータ等1台までとなります。
    スイッチ・ルータ・サーバ等の設置が必要な場合、ノードの設置されているデータセンタ内に別途ラックスペースを
    加入機関負担にて確保して設置し、構内配線にてSINETと接続してください。
    SINETはラックスペース確保の仲介は行いませんので、「データセンタ連絡窓口」まで直接連絡してください。

  13. 【ノード接続】設置機器に関する留意点について

    SINETノードラックに設置できるのは、回線終端装置もしくはメディアコンバータが1台までであり、
    その他の機器については設置できません。また予備の回線終端装置やメディアコンバータの設置も
    できません。設置機器はすべて実際に使用される必要があります。
    また回線終端装置等機器についても設置基準があります。
    「SINETラックスペース内設置機器の許容基準について」を参照してください。

  14. 【ノード接続】事前の現地調査について

    回線事業者等による事前のノード現地調査は可能です。(回線事業者が未決定の段階であっても可能です)
    「ノード入館申請フォーム」より入館申請を行ってください。SINETからデータセンタ業者へ入館申請を行います。

    なお、現地調査にあたり、ノードのSINETラックの扉を解錠する必要がない場合
    (PD盤等、SINETラック外にある設備の状況のみの確認を目的とする場合)は、
    「SINETデータセンタに関するお問合せ」より、直接データセンタ業者に連絡し、入館申請を行ってください。
    この場合には、SINETへの入館申請は不要です。

  15. 【ノード接続】回線の物理接続の先行実施について

    SINETの接続サービスの利用開始(接続設定の投入)に先行し、アクセス回線をノードまで入線し、回線終端装置等の設置、SINETパッチパネルまでの物理接続の作業を行うことは可能です。その場合、以下の点に留意してください。

    1. 接続申請の事前提出
      回線終端装置等のSINETラック内の設置位置、また回線の接続先であるSINETパッチパネルポート番号は、加入機関からの接続申請の提出を受けてSINETが割り当ておよび加入機関への案内を行います。したがって、接続申請を提出することなく回線を入線し、回線終端装置等を設置したり、パッチパネルへの接続を行ったりすることはできません。
    2. SINETラックスペース内設置機器の許容基準の遵守
      ラックに設置する機器は、接続申請書にもれなくその型番・サイズ・消費電力等の諸元を記載し、SINETが設置を許可し、設置位置を指定しなければ、設置することができません。また、設置を許可された機器の設置作業後、当該基準記載の作業報告書(写真付き)の提出を求めていますので、写真を含めた作業の記録を行ってください。写真は実際の機器の設置状況の確認のための重要な資料となります。
    3. 入館申請の事前提出
      SINETラック内への回線の入線、回線終端装置等の設置、パッチパネルへのケーブル接続等の作業には、SINETへの入館申請の提出が必要です。実際の入館作業日の7営業日前までに提出してください。
      入館申請においては、持ち込み機器として、設置予定の機器自身および報告書作成用のカメラの記載を忘れずに行ってください。
      なお、入館作業は加入機関手配の業者の担当者のみでも可能です。加入機関の職員が同時に入館・立ち会いを行う必要はありません。
    4. リンクアップ試験
      回線の接続作業を行ったパッチパネルポートに対応するSINET側機器のインタフェースは、実際のサービス利用開始にかかる設定投入までは閉塞状態になっています。回線の物理接続作業時にこの閉塞を一時的に解除し、回線とSINET機器が物理的に正しく接続されているかを確認するための「リンクアップ試験」を行うことが可能です。
      リンクアップ試験の実施を希望する場合には、接続申請の備考欄に「○月○日の回線接続作業時のリンクアップ試験希望」と記載の上、当日の入館の際のSINETオペレーションセンターへの連絡時にその旨を申し出てください。
      リンクアップ試験により、メタルインタフェースにおいてはネゴシエーションやケーブルのストレート・クロス等の正常性の確認が、光インタフェースにおいては送信・受信ポートの接続の正しいことおよび光レベルの確認等を行うことができます。
      リンクアップ試験後、当該インタフェースは再び閉塞します。実際の利用開始(接続設定投入)まで閉塞解除状態のままとしておくことはできません。
  16. 【ノード接続】接続先ノード等の変更について

    SINETでは加入機関の接続先ノードに制約を設けていません。所在が接続元拠点(キャンパス等)と異なる都道府県のノードに接続することも可能です。

    また、以下のような接続形態の変更も可能です。

    • 現在の接続先ノードと異なるノードへの接続変更
    • 現在の接続先ノードと異なるノードへの接続の追加(冗長化)
    • 現在の接続元と異なる接続元からの接続への変更
    • 現在の接続元と異なる接続元からの接続の追加(別拠点接続)
    • 物理的接続形態(ノード接続からそれ以外の方法への変更、あるいはその逆)

    ただし、それぞれに考慮点があり、条件等によっては利用いただけない場合もありますので、学術基盤課もしくはSINET利用推進室まで適宜ご相談ください。